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AKB48「アイスの実」江口愛実の話をSIPSの枠組みに当てはめて考えてみた

 

週末からTwitter等で話題になっている、アイスの実の話。結局アイドルを使ったプロモーションでしょ?とバカにするのも、愛実ちゃん可愛い!萌え!とただ乗っかるのも…なので、せっかくだから消費行動の新しい考え方とされている、佐藤尚之さん提唱の「SIPS」に当てはめて、考えてみようと思う。(アイスの実?SIPS?という説明は省いて、一気に本題入ります)

[参考]「SIPS」という考え方、そして共感の時代のメディア

で、早速挫折。。本来は最初は、S:Sympathize(共感する)なんだけど、今回には当てはまらないので、思いつきでD:Doubt(疑問に思う)に勝手に変更。記事のタイトルからは外れて、「DIPS」ということでいったん突き進んでみる。それで説明が可能かは最後のまとめで。

 

D:Doubt(疑問に思う)

事の発端は、13日(月)に発売される予定の週刊プレイボーイの表紙が何故か週末にリークされたことによる。(ちなみにツイートでは愛実の「実」が間違っている。ここ大事なのに。。)

あさって発売のプレイボーイをフラゲ!何とAKB48、12期研究生の江口愛美が衝撃の表紙&グラビアデビュー! http://twitter.com/tatsuro_k

話題になった総選挙の結果発表日から、わずか2日後というタイミングでのこの発表。研究生ながらいきなり週刊プレイボーイの表紙を飾るという破格の待遇。そして秋元康が「彼女こそ究極」とまで言う入れ込みように、驚きと共に注目が集まった。と同時に、何かがおかしい…と感じていた人がいたのも事実。実は最初からこんな書き込みもあった。

————–

109:名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/11(土) 14:55:11.83

これ選抜メンバーの顔のパーツ集めてCGで作成した顔じゃねぇの?
生物感が全く感じない
PBが仕組んだ壮大な読者どっきりと見た
目はあっちゃんか?

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おそらくこの書き込みを最初に目にして議論を盛り上げたのは、AKB48のエバンジェリストやロイヤルカスタマーだ。どこかで見た顔だな…と思いつつそれがあっちゃんの目だと即座に特定できるくらいで、今までのAKB48の活動の文脈をわかっているからこそ、この不自然な大抜擢に対する違和感も、ファンやパーティシパント以上に強く感じていた。その結果、議論にも多く参加していたのではないはずである。

しかし、大手の中の大手出版社である集英社の看板雑誌のひとつ、週刊プレイボーイがそこまでするか?!という意見もあり、確かな情報もないまま疑心暗鬼の週末を終えることになる。

 

I:Identify(確認する)
→P:Participate(参加する)

そして週が明け、渋谷駅が江口愛実でジャックされていることが、Twitter等で話題になり始める。それは、アイスの実のポスターだった。

eguchi_poster

さらに、アイスの実のスペシャルサイトが公開。

この時点でもまだ、江口愛実が実在すると主張している人も少なくなかった。だが、このサイトに掲載された「オーディション応募用紙」に多くの人が注目し、徐々に明らかになっていく事実に、実在説の声は一気に小さくなっていった。

「江崎グリコのアイスの実だから、江口愛実だね」
「誕生日にある2月11日=グリコの創立日じゃんw」
「16歳はアイスの実が16周年だから」
「趣味が陸上って、グリコのロゴマーク?」
「出身地が埼玉なのは、アイスの実が埼玉工場で作られているから」

そして極めつけは、自己PRに書かれているこの一節。
『AKB48のみなさんの良いところを少しずつ盗んで』
実在説の敗北が、ほぼ決まった。

この仕掛けが秀逸すぎる。正直な話、食品会社の創立日だとか、商品が何周年だとか、どこの工場で作られているかなんてどうでもいいし、どんなに上手に伝えられても人に教えようなんて絶対思わない情報を、江口愛実というキャラクターを通すことによって、企業が一方的に情報を与えるのではなく、みんなが自発的に楽しみながら情報を取りに行かせることに見事に成功している。この確認と答え合わせに多くの人が参加した。

今回用意したのは、プロフィールとうさんくさい履歴書もどきだけなのだ。もともと疑いの目を持っていたエバンジェリストたちは、そこから勝手に情報を拾い上げて検索し、企業情報や商品情報を見つけ、ほら見たか!とばかり得意げに発信していった。江口愛実の情報として

 

S:Share&Spread(共有・拡散する)

「週刊プレイボーイの表紙まで飾ったAKB48の新メンバーが、実は実在しないCGだった」というのは、パーティシパントにとっても広めたくなる話題だった。

なんと言っても、先週の総選挙があれだけ話題になったという下地がある。当初はエイプリルフールにやるはずだったのでは?という噂もあるが、そういう意味ではこのタイミングで完璧。Twitterのトレンドワードにも当然登場し、拡散され続けている。

 

まとめ

6月14日現在の情報はここまで。全てが明らかになるのは6月20日。ネット上では一気に話題になりすぎてしまったので若干間延びする感もあるけど、新聞やテレビで扱われるまでの時間差を考えてのことだと思う。ここで重要なのは、全ての情報を一度に明らかにしなかったこと。このDIPSのサイクルをまだ回し続けることができるからだ。もっとも20日の公式発表の前には、もうひと盛り上がりできる仕掛けがあるような気がするので、とても楽しみ。

今回のケースでひとつの可能性として考えられるのは、佐藤さんは消費行動プロセスは「100人の強い共感から広がる」とタイトルにも掲げられているけれど、「100人の強い“疑問”から広がる」ことも可能ではないか、ということ。

AKB48というブランドへの信頼があるが故に、与えられた情報に対しての違和感と疑問の目を強く持ったエバンジェリストやロイヤルカスタマーは、自分たちから情報を取りに行く姿勢になった。つまり、AKB48というブランドへの忠誠度が高いエバンジェリストやロイヤルカスタマーが多くいたことで、最初の要素“疑問”でも、佐藤さんの“共感”と、結果的に同じ役割を果たしたということ。そこで「疑問を解決したい」という独特のモチベーションが生まれ、その後の行動に拍車をかけるいい影響を与えた。さらに「ほら、やっぱりCGだっただろ(ドヤッ」と、選民意識のような感情を自然と持ってもらうという流れも含め、本当にこのコミュニケーションの設計はすごいと思う。

もっとも、ひとつ間違えればそっぽを向かれてしまうだろうし、AKB48というブランドの特殊性によってこそ成り立っている部分が大きいので、やっぱり最初の取っ掛かりは、素直に共感してもらえる仕組みのほうがいいのかも。もう一度SIPSのフレームについて、ちゃんと勉強して理解しなくては。。

ただ忘れちゃいけないのが、まだこれ何も始まってないし、結局みんなアイスの実を買うの?ってところだと思う。店に行ったらどんな扱いになっているか、見てみよう。握手券付きで売れば売れるんじゃん?というのは無しで。。

ここまで話題になっておいて、20日の正式発表で「CGと思ってる人たくさんいるけど・・・私本当の人間でしたー!」と登場することを密かにとっても期待してるんだけど、ないかな。そしたらこじはるから推し変しちゃうのに。結構可愛いなって思ってたのに。

まだ明かされてない仕掛けあるよって人いたら、ぜひ教えてください。

 

※2011年6月20日追記:
まさかの展開でもうひとつ記事書いたので、よろしければどうぞ。

まさかこう来たか!AKB48推し面メーカー!!!

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